魂の強度
ひだかたけし

死は全てを呑み込んでいく、
奈落の底の虚無だ
魂は耐えなければならない
その恐怖を 独り乗り越え

名という名を剥奪された物質という物質が
肉という肉が己の魂を埋め尽くすだろう
正真正銘の悪魔の誘惑だ
この界に執着しこの界に住み続けたいという
その無意識の欲望渇望混沌を満たす、
永遠の耽溺という忘我幻の約束だ

全てを呑み込んでいく
奈落の底の虚無を突き破り、
紫の荘厳の変容と浸透と思考を
魂は受け容れなければならない
その恐怖を恐慌を 独り乗り越え
自己意識を保ち 宇宙の神性の中に
新たに在る自己を 見い出だすために


自由詩 魂の強度 Copyright ひだかたけし 2016-04-24 20:38:22
notebook Home 戻る