楽音宇宙
ひだかたけし

この夜陰の一時に
鈴の音、微かに反復され
揺れて奥まり鮮明に響き渡る

追い掛け複数の打楽器が
ビートのズレ、作り出しながら
複雑に錯綜し絡まり合い循環する

(開放された意識の庭に鳴る楽音

   私の脳髄は蕩けていく

 意識の外郭は保持されたまま)

この夜闇の現界に
人の声、微かに旋律形造り
震えて奥まり清明に響き渡る

追い掛け複数の打楽器が
微妙にズレ、叩き出しながら
錯綜と調和の線形を拡大していく

時界は深まり、私の意識の内実に
内なる楽音、不思議な文字を描き出し






自由詩 楽音宇宙 Copyright ひだかたけし 2016-04-17 15:00:44
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