ももシリーズ
藤鈴呼


終ぞ桃に口づけせずに終わるは秋
こまゆみが 幾ら美しく ぶら下がっても
北風に吹かれちまえば それで御仕舞

お前の推しメンは誰なんだと
おしめを外せぬ赤子に尋ねても
ぎゃあと泣くだけ

ギャーと悲鳴を上げて 逃げ惑えるは
真夏の肝試し
肝っ玉母ちゃんが 一等強いとは
限らないのですから めんどくさい

あなたは 繰り返す
時間帯の相違が 一番の 問題

最低でも 二時間は 掛かるのだから
六時過ぎには出ましょうって言ったのにって
時刻をきちんと 設定しなかったのには
理由がある

あなた時間が 横行しているからだ
眠りながら キレかけた翼を断ち切って
新しい関係性を築くには
気付くには 遅すぎたんだもの
仕方が無いじゃない

桃の秋
もも か あき
どちらの名前が 将来の 可愛子ちゃんを
産み出すでしょうかなんて 絵空事

ももだって 落ちてしまえば 茶色くなるんだし
あきの枯葉は 茶色いんですもの
美しい 桃色ばかりでは
いられないのですよ

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自由詩 ももシリーズ Copyright 藤鈴呼 2016-04-13 09:14:34
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