帰還〇こえぬけ
たけし

死線狂乱をさ迷いコエ戻り帰れば、
この界もあの界もソレ単独では
只のまぼろし。
       ー壊れた片腕に奥まる意識に   

  ▲○■    ■○▲

千、億、兆
千、億、兆
未知なる鐘の音響き響く

希望もなく絶望もなく
絶望もなく希望もなく
そうとシ生きる私は何とか。

この割れ裂けそうな眼球
止まらぬ耳鳴りドラム連打
脳髄釘打たれ掻き回され、
のたうちうねる血波の決壊。

それでも耐えに耐え我慢重ねて
シッカリ堪え続けているうち、
俄に五臓六腑温かくなり
何かが熱持ち競り上がる。

私は奇妙に落ち着いて
いつしかウットリ沈み込み
狂うを正し、狭間に座る昼日中。

腹底温かく太陽神経そうに
残響木霊こがねに輝き鳴り
意識浮き上がり離脱する、
駆ける背中を懐かしみ。

日は傾き、時は夕暮れ束の間の至福、
アハハハ、ウフフ、じゃらじゃららら
笑うわたしの他者の声ひび割れ
畳の上に舞い散った。

千、億、蝶
千、億、頂
間近に未知の音鳴り響く!






―3月17日(木)記.


自由詩 帰還〇こえぬけ Copyright たけし 2016-04-06 13:19:08
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