予行練習
青井とり
わたし、あなたに出会ったときから
こっそりさようならを繰り返していた
何度も、何度も
いつかこんな日が来るかも、だなんて
怖がりをポケットの中で反芻しながら
しあわせそうに笑っていた
ずっと、ずっと
そして、上手にさようならを告げた
わたしはいま
シーツにくるまって動けずにいる
きっと、また
怖がりながら誰かを愛するんだろう
自由詩
予行練習
Copyright
青井とり
2016-03-28 21:02:21