消えた街角
番田 


夕暮れ時の街角で
厚く立ち込めた曇り空を見ていた時
立ち尽くしていた 理由など何も わからないまま
歩き出す 瞬間を思う 立ち尽くしていた私の姿


かつての友人はいつしか 私から去り
ひとりぼっちとなった私も 姿を 消した 
窓の外を眺める週末はぼんやりと
開いたままの 本を見ていた


自分の 思いを 置いてきたまま
行くべき場所が 私はわからない
行くべき場所を今日も忘れたままで生きている
行くべき場所がわからないままで生きている 


だけどネット社会の中で
失われてしまったいろいろなものが
立つべき場所を私に きっと教えることだろう
この だんだん消えていく 光の中で


自由詩 消えた街角 Copyright 番田  2016-03-13 20:22:42
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