老細胞の呟き(十)
信天翁

連日
本曇りの弥生が続いている
気温はおとなしくなったのだが
体温は気ままにとはゆかない
卒寿の身では
冬装束で身構え続けている

遠くで鴉がうなっている
   森の息使いは まだ
   本ものぢゃない 

近くでキジバトも呟いている
   街の襞隅は まだ
   春が覗いちゃいねぇ 


自由詩 老細胞の呟き(十) Copyright 信天翁 2016-03-08 10:03:12
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