カラス薫る、越え
石川和広

朝から、青い陽に、
波シブトガラスが
割れそうもない節理を抱いて
泣いているぞ
かあハア

丸山薫よ

くあーっ

轍の臭いだ
草の遠く
それが、銀河より遠く
発泡スチロールを
口ずさみ
泡食って泣いている
その声と
わたしの緩慢な苛立ちが
口の中をカラクスル

薫よ
雲高くビルの上だったら
何を啄ばんでいる?

アーアーウファアーアー

薫へ
口ずさむ木も
切り裂いて樹液が沸き、
泣くよ

薫よ


自由詩 カラス薫る、越え Copyright 石川和広 2005-02-22 08:25:20
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