ちりめんのこい
藤鈴呼


吸着力が激しい磯巾着
口にチャックが常套句

夜になれば
群れるモスキート達と お友達

性質が悪いと 
ブルーライトを キラキラさせて
闇の向こうに去っていきますが

青信号を 緑と勘違いしてしまえば
一瞬だけ 目が眩んで しまうのです

例えば あなたが 優しかったとして
その行為を 心から喜んでいられたら
感謝される 良い人に なれる

例えば 余計なお世話だと 心底 呪って
今度から 目の前に現れるなと 焦へば
その瞳から 存在感が 消え失せるのでしょう

要は そういう事なのです

クチャクチャと ガムを 噛みながら
どんなに大切なことを のたもうても

届かなければ 世迷言

伝える唇も 凍りそうな この季節に
あなたは 何を 考えますか

散り散りりになる 葉の先に
癒えなかった 心が躍る

その向こう

もっと 耀く筈の 太陽が
確かに 昇る 筈だったのに

はす向かいの犬が
いつまでも 吠えているから

気をとられて

シャッターチャンスを
見失った ままなのです

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自由詩 ちりめんのこい Copyright 藤鈴呼 2016-02-22 22:04:36
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