http://yaplog.jp/tipotipo/archive/284
戦争が好きかどうかと聞かれると、途端に答えに詰まる。何故なら私は平成の生まれで、戦争を経験したことがないからだ。一部のミリオタを除いて、戦争が好きという人はいないだろう。また戦争が好きだとしても、戦って死ぬときの状況まで考えている人は少ないだろう。戦争が好きかという問いは、人々の心に深いものをもたらす。戦争が好きかどうか、本当にその判断は正しいのかという、深い反省をもたらすのである。一方で、刀を持って構えているこの写真は、挑戦的でもあり、挑発的でもある。あたかも戦争好きですと言わんばかりのこの姿勢は、戦争好きと戦争嫌いとの二項対立に楔を打ち込もうとするかのようである。人間の本能から言えば、本来戦争好きな人々が、戦争以外の方法、例えば芸術やスポーツ、ノーベル賞で発散しているのだと考えることもできる。それが果たして本当にいいのかどうか、それは功利主義的に言えば、死が減るということによって悪の総量が減るので、善になるのかもしれない。しかしこの刺激的な写真は、戦争加担を意図して作られたものではないことは、火を見るよりも明らかである。むしろ我々の奥底に眠る本能に直接語りかけるべくして生み出されたのである。そのような意味でni_kaのこの写真は、刺激的でセンシティブなところに一歩突っ込んでいる。