心中お察し
あおば

            160213
申し上げます。
後は言葉にならないので
ひょうたん池の写真を載せた
彼の人生は今、ひょうたんのどのあたりをなぞっているのだろうか
誰にも分からないことを言葉に記してみたが
水を抜かれたひょうたん池は、底のヘドロを見せて
ふんぞり返っている
池の魚たちは、外来魚と在来魚とに分けられ
処分されたり、保護されたりしているのだろう
春になれば再び水を張られ
白鳥の形をした足踏みボートも泳ぎ出す
みんな忙しくなりますね
新年度を迎えた学生さんお役人様に
ブラック企業の従業員たち
満開の桜の下で酔いつぶれていられるのも
今年が最後だよと
私は初老の友にそっと囁いてみるが
冷たい2月の風がその声を吹き飛ばす
空は青いけれど、心はもう青くないのだなと
半乾きのヘドロを底にシャッターを切る
何の意味も無い行為の中にもなにかが隠れているような
そんな行為に思えて
心中お察し申し上げますともう一度呟いた。



参考 かいぼり日記(1市民のブログ)
http://inokashira05.blog.fc2.com/blog-entry-102.html

初出「即興ゴルコンダ(仮)」
  http://golconda.bbs.fc2.com/
  タイトルは、すずむしさん





自由詩 心中お察し Copyright あおば 2016-02-13 18:41:39
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