残花
藤山 誠
たくさん咲いたツツジの花を
一つもぎ取って蜜を吸う
甘いツツジの蜜と
苦い緑が鼻につく
俺の父親は普通の人でした
俺の母親は普通の人でした
俺も普通の人でした
俺は何者でもありませんでした
どうせツツジも散ってしまいます
風邪で鼻がおかしくって
俺は何者でもありませんでした
自由詩
残花
Copyright
藤山 誠
2016-02-11 19:57:24