老細胞の呟き③
信天翁

       つつじが丘のひだに
       住みついて 三十年
       いま 卒寿となって
        しんみりとおもう

    九十の齢(よわい)の歩みが
   (おかげさまにもかかわらず)
       なんと いとけない
        (主体性の欠けた)
       歳月であったか と

あゝ いまや老いた手許にひろがる
   中天への委任状の むなしさ




自由詩 老細胞の呟き③ Copyright 信天翁 2016-02-11 10:02:36
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