「文学金魚」
http://gold-fish-press.com/
「文学金魚」ってウェブ文芸誌があります。実はぼくもこういう感じのを作りたいと
常々思ってたんです。「文学極道」の代表をやっていた時くらいから。ただ、なかな
か時間がないのと、そこまで情熱がなかったというのが一番大きいのかもしれません。
で、改めて、このサイトを検証してみたんですが、読んでいて、いまいち情報が入っ
てこないという感じを受けるんです。
なんでだろうと、ぼくが考える大きな要因は、紙媒体のスタイルをそのままweb上に
もってきただけのスタイルになっていて、インターネットで公開される特性が十分に
生かされていない、ということをまず思います。
つまり、ネット時代の新しい文芸誌のスタイルはこれではないという思いです。
なぜ、読者との双方向性がこれほど欠落しているのか?
インタビューを動画でやらないのは何故か?
もっと言うと、情報の送り手と受け手の境界を改めて作り直すというアナクロニズム
に陥ってしまっている。
2chのようにやれ、というわけではなく。情報の質や信頼性を担保しつつ、カオスを
作り出す仕掛けがない。
これでは紙媒体と全く変わりませんし、webでやる意味も非常に少ないサイトになって
しまっている。
もう一つは、文学史というものを、ネットの社会化に伴って再編纂しようだとか、活
字の文化の、そういった根本的な問い直しといった意味の視点がない。
これは人間の思考の歴史として、ぜひ詰めておきたい事柄だと思うのですが、
つまり、ネット上にも検索されるだけでなく、アーカイブされ、体系化されるべき情
報があり、それを手繰る意志を持ったサイトがあってしかるべきだ。というのがぼく
の考え方なんだけれど、そういう事がないがしろにされている。
つまり何が言いたいかというと、web時代の文芸誌のパイオニアを名乗る資格や力は、
今現在の彼らにはないということです。