君からのおくりもの
幸絵



長い時間をかけて
黒く塗りたくった羽根を

君は
僕の背中から
剥ぎとったんだ



僕が
自分の足で
一歩ずつ
前に進めるように


自分の手で
一枚ずつ
扉を開けるように


あたたかくなった胸に
この手を
あてられるように



君はあの時
僕から奪ったんじゃなくて


自分を守ることに
精一杯で
いろんなことを忘れていた僕に


忘れちゃいけないことを

与えてくれていたんだね









自由詩 君からのおくりもの Copyright 幸絵 2016-01-29 16:12:48
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