雲の顔
イナエ

私たちが普段
眺めている雲は
お尻だ
顔は宙に向けられている

中空を飛ぶ飛行機が
教えてくれた

お尻は垂れて
砕けて
地に届く

顔は
白い炎のようで
群がる羊のようで
波頭渦巻く大洋のようで

沸き立ち
もえあがり
絶えず変化して
ほんとの顔が分からない

それでも
遠い星から 
たとえば月からながめれば
碧い渦が美しい
地球の顔


自由詩 雲の顔 Copyright イナエ 2016-01-23 13:46:56
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