寒桜
凍月





          ---気のせいか


寒桜の幻
枯れ木に薄雲
夜より青い暁は
壊れた月へ注がれよ
舞い散らぬ桜はみな幻
恋の朧は夢幻
点くは幻灯、消えるは焔
火傷しない心はヒトノユメ
手を振れば霧のように散る別れ

落葉した樹木の骨格に
雲の灰色が重なった時
桜の面影をそこに見た

 その季節には孤独があった
 その美しさには死があった
 その儚さには恋が重なった


       桜吹雪
   絶景に目を奪われた--
      恋は盲目
    ふと 君を想っていた--


でも どちらも 流れ去ってしまって
もう どこにも見えないよ



    
冬の桜は春の夢
           恋の霞も夢幻









自由詩 寒桜 Copyright 凍月 2016-01-19 23:15:55
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