巡礼
あおい満月

あなたが描いた絵を見た瞬間私は気がついた。
私は確かに、
あなたの側にいると。
緑や黄や、青や白で描かれた、
あなたの景色は、
私をいつかいた懐かしいあの場所に
連れていってくれる。

暫く立ち尽くしていた。
あなたの絵の前で。
私は十字を組んで願った。
もう何もいらない。
あなたの瞳に映る私がいればいいと。
あなたはあなたで、
あの空をはばたいていてください。
私はあなたを見守るものになります。

駅ビルのなかの、
アクセサリー屋で買った
ホワイトゴールドの指輪が、
三日月に煌めく。
左手薬指にひかるムーンストーン。
あなたへの永遠の誓い。
叶うことのない願い。
終わりのない、
愛という巡礼の旅。



自由詩 巡礼 Copyright あおい満月 2016-01-17 00:14:40
notebook Home 戻る