貯水地
アラガイs


冷たい風が太陽を輝かせるだけだなんて考えは生真面目過ぎるからだろう?

運命が君の思い通りに運ばないのは
逆に世界の凡てが君の考える方向に動かされているからなんだ
、と
自分の死をまえにして君は後から知ることになる
つまり君自身が悪い夢をみていることに気づいていないからなんだ
君は街を見捨てていた
広く整えられた埠頭を見てごらんよ
ただ景色を蝕んだばかりの灰色に積み重なるコンテナの頂き
消え失せたのは
穏やかな波間を求めて飛来していたカモメの姿だけじゃないんだ。

そう呟きながら貯水池に架かる木橋を渡り切るときには
決まって降り注ぐ陽射しに目が眩んでしまっていた 。










自由詩 貯水地 Copyright アラガイs 2016-01-12 07:31:50
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