窓をあけなくちゃ
石川和広
ねて
めざめてね
いつも流れる夢小道
顔の皮ふがはがれて
赤い紙になる
いつも窓を開けなくちゃって思う
人間を混ぜて、肌と灰色の混じった色の
タールができて
壁に塗りつけられる
その上に
乾かぬうちに電話番号が
いくつも書かれてあって
シンナーやタバコの臭いクサイので
眉間がいたくなる
窓をあけなくちゃ
黄色い雨がふって
花火の戦争がはじまって
そんな夜空をみたいときも
カゼをひくけど
窓をあけたくなるんだ
こんなにもキレイな
きらきら
夜空に
ぬりこめられるのよ
窓をあけなくちゃ