ゆず湯
しょだまさし

湯船にゆずが浮かんでいる

まばらに浮かぶそれらは

まるでこの世に

湯に沈むものなどないと

思わせるほど

あたりまえの様に浮かんでいる

沈んでいる自分の体に

それらが度々当たる

入りしなに嗅いだ香しさも

あたりまえの様になじんで

私はいつもの様に

ざっと体を洗い終え

湯船に蓋をした


自由詩 ゆず湯 Copyright しょだまさし 2016-01-05 08:05:18
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