クリスマスの満月
Lucy

その日は朝からおおゆきでした
それがクリスマスらしくもあり
吹雪の空を飛んでくるサンタは
大変だっただろうなとも思う

夜になってから
おばあちゃんの命日だった事を思い出し
お花を買いに出かけた

そうおばあちゃんが亡くなってから
我が家では
ツリーもリースの飾り付けも
長い間しなくなっていた

靴がすっぽり埋まる程
人気の少ない歩道には
雪が積もっていたけれど
空を見上げると雪雲にちょうど亀裂が入ったところ
明るい空が覗いていた
歩きながら何度も見ると
周りの雲が輝きだして
お月さまがあらわれた

追い払われたみたいに雲がいなくなると
空はたちまち広く冴え渡り
まんまるなお月さまが
葉のない街路樹の向こうから
にっこり私を見下ろしていた

メリークリスマスお月さま

私は口をあんぐりあいて
ばかみたいに道に突っ立っていた

帰り道はまた雲がどこかから押し寄せてきて
家にたどり着く頃
お月さまは
分厚い雲の向こうで薄く光っていた




自由詩 クリスマスの満月 Copyright Lucy 2015-12-26 10:02:25
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