マス岡きっこ「ホモダチ」
花形新次
中学一年のとき
後に野球部主将となる
円行寺くんに
下駄箱で告白されました
僕はノンケでしたので
その思いに応えられなかった
僕はその時
松田聖子に夢中で
彼女を想像しながら
毎日覚えたての
マスターベーションを
していました
ひょっとすると
円行寺くんは
僕でしていたのかしら?
でもね
気持ち悪いだなんて
思わないよ
だって
人に愛されるって
素敵なことだもん
誰にも愛されなくなった
今は特にそう思う
(マス岡きっこ詩集「人類愛」より)
自由詩
マス岡きっこ「ホモダチ」
Copyright
花形新次
2015-12-21 20:51:17