くるくる回る


世界は回る
くるくる回る
私が悲しみで
打ちひしがれてる時も
お構いなしに
くるくる回る

大切ななにかを
亡くしたとしても
世界は最初(ハナ)から
興味無い、という様な顔で
いつもの様に
くるくる回る

私は止まってほしいと
思っているのに
テレビを付ければ
レポーターが
いつも通り話題の店で
ラーメン食べてる

『スープと麺が良く合いますね〜』
なんて。

止まってほしいと
言ってるのに
外を見れば子供の笑い声
近所の人の鼻歌
いつも通りのどかな風景

止まってほしいと
泣き叫んでるのに
世界は私なんか
知らんぷりして
みんないつも通りの
日常を過ごしている

*
世界は
くるくる回ってる
私も
くるくる回ってた
でも
足が重くなってきて
ちょっと
休憩したくなった
それでも
世界は
くるくる回る
徐々に
足が動かなくなって
ガクッと
膝が重たくなって
地面に
倒れこんでも
みんな
くるくる回る
そのうち
みんな見えなくなって
1人で
悲しく泣いていても
だれも
慰めなんて来やしない

しばらくすると私の
足が動き出した
そうして私も回り出す

世界は回る
私も回る

*

世界は薄情
私も薄情。





自由詩 くるくる回る Copyright  2015-12-17 20:09:07
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