告発
葉leaf




早朝は告発の時刻
人々の覚醒のまなざしは
地上のどのような罪も許さない
告発の白いまなざしである
人々は互いに会話するように
互いに罪を着せあう
告発はいかなる権力にも届かない
早朝の闇が告発の声を妨げているのだ
いずれ人々は告発に疲労する
そのころに夜は明けるのだ

復讐としての告発か
正義としての告発か
悪意に基づく告発か
告発の多彩な形状は
鉄のように溶接されて不動である
そして告発は社会や権力の複雑な懐で
政治や論理の複雑な酸で焼かれ
生き残るものはほとんどいない
告発には告発による制裁が返される
振り子が両側に振れるように

ただ被害を訴えただけで
救いを求めただけで
告発者としての衣を着せられることがある
どうしようもなくて
相談しただけで
もはや告発者だ
誰に罪を着せることも
誰を罰することも望んでいなくても
被害者は必然的に告発者の重い鎧を着せられる
被害者の弱った体には耐えられない重い鎧を


自由詩 告発 Copyright 葉leaf 2015-12-10 06:30:28
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