年の瀬
藤山 誠
空気は、視界の端の方でぎらぎらと尖っていました。
時間はぐにゃぐにゃと、伸びたり縮んだりしながら、通り過ぎていきました。
私は必死に仕事をしていました。
腰が痛いのに、たまに雑談して、にこやかに笑ったりしていました。
夕方前の田舎を車で行くと、とても静かなものでした。
田舎はどこも静かなものなのかもしれません。
一面田んぼの並ぶ中に、もっそりと山が生えていました。
まるでクレヨンで書かれた絵のような間抜けさでした。
父からのメールを見るのが嫌でした。
金の無心ばかりする私に、父は辛辣な言葉ばかりをメールにしました。
父に迷惑ばかりをかける私は、きっと親不孝者だと思います。
親のスネを齧れるうちに齧るのが、親への孝行だと私は思っています。
輝く空気や四季の息吹は、何事もなく降り積もりました。
私はその上をもそもそもと歩いて仕事に向かうのでした。
朝はとても眠たくて、葉の色が変わっていくのですらどうでも良かったのです。
今年も暮れて、月半ばまできて、大晦日の借金の取り立てがない平和な現代に、私は安堵するのでした。