キャンバスに色が付かない
佐白光

見失ってしまったもの

いなくなってしまった人

寂しさを感じた時から気づく

キャンバスに色が付かない

何を塗っても なにを描いても

絵具を替えても 筆を取り換えても

キャンバスに色が付かない

そんなに大切なものだった

そんなに大切な人だった

キャンバスに種をまき

感情という池から零れ落ちた 水をまく

春がくるまでは キャンバスに色が付かない


自由詩 キャンバスに色が付かない Copyright 佐白光 2015-12-05 00:29:38
notebook Home