ユニコーン
レモン
ただ
あどけなさにいた季節
純白と翡翠の子守唄
濡れた温度が優しくて
秘密の杜で
穏やかだった
毒の甘さを知らぬ頃
未通女に柘榴を差し出したのは
楽園の蛇だったのだろうか、未知のしもべ
いや、不知火のような燐火を帯びた鳴き螢
その哀しさに魅せられて、、、
破瓜の血脈は
情熱の赤などではなく
なんだか黝い衝動が
臍の緒を斬ってしまったみたいに絡まって
囚われたソドム
背徳などは蚊を潰すよりも滑らかな慈悲
忘れたことを忘れたかった喧噪の日々
それはいつでも
私 だった。
だから
ねぇ、もう触れてはいけないよ。
愛しい愛しい
みどりいろ
その純粋なまぼろしを
自由詩
ユニコーン
Copyright
レモン
2015-12-03 15:32:51
縦