エレジー
レモン



イカレた世界の中心にいるのは、
いつだって
ひと。
でした。


私は恐ろしくからっぽで、
苦しみだとか哀しみだとか、
ほとんど愛しく抱きしめている過去の痛みが
躰すり抜けてゆくのを
無表情に
見送っていました。

喧噪バカ騒ぎ
たくさんの、
嘘。
狂ったパーティー
それらは馴染みのもので、
誤魔化さなければ生きていけない、
楽しいふりして笑う。
それは悲鳴
それは慟哭
助けてほしい
という
無言の合図。
肌と肌の温もりが
ただ一瞬でも忘れることができるなら。


還りたい還りたい
戻れない戻れない
いいえ
いつかまた穏やかになるということを。
それは遥か遥か絶望よりも遠い夢。


夢でいい。
夢でもいいのです。



せめてただ一夜
安らかに眠れるならば



それで、




自由詩 エレジー Copyright レモン 2015-12-01 19:21:56
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