夢翔
レモン


いっそ
このまま
逃げてしまおうか。

という純粋は、

間近に控えた病床での浅い眠り
耳鳴りのような
譫言を以て
熱を
帯びるのでしょう

少女の恋する瞬間は
レモンバームが
しなやかにはじけて
恥じらいながら綻んでゆく
萌葱の薫り


いま、風に乗る。

∞なつかしい丘では
あなたがほかのひとと笑っていて
なんぜんもの花花
いっせいにゆれ
祝福しているみたいなフィリグリーのレース
ちじょうから遠いのだろうか
すいぎんが
うすく流れながら
ときどきひかり
もうさびしくない星がこきょうへ還るのだ。

あなた、わらっている

身を灼き尽くすあの焔から解放されて

あなた、わらっている
あなた、わらって∞


風になった想いで
すり抜けながら
私はささやく


 (      )


と。



 


自由詩 夢翔 Copyright レモン 2015-11-22 22:53:02
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