最悪 場合死 至 病
なけま、たへるよんう゛くを

◎アイルランドに落ちてた死体を煮出してこそいで滋養に食わせ
遠くへ出掛けに行ったきりあなたは首しか戻らない
汚濁の髄 その魂の根刈る鎌 溶いた闇かと黒すきり
睡魔正史を剥がすわ侵す なにが時か 形はどこか 緊密な風紀 秘密の部屋 蜜の味 橘の味 柩よ焦げ 黒の粉 昇れ雲間 生の証 死の証 血は高し 空の尾根

・パンクロックはスーサイド パンクロックはスーサイド
人斬るナイフに飛び込んで 噴いた血栓をだらしなく抑え
こういうのさ「こんなになっちまった」

・プロメテ逢瀬を有り難う ゴリアテ優位を有り難う
加えるべくは要領の良い奴が嫌いだ 巨人が今際 そなたのお陰
では能ある方々が嫌いだ 忌んめられよヘラクレス 朽ち腐れ

・真面目に真摯に真っ当に 素朴で素直で素敵さで
そういう正を生してなくても 性を制さぬ私達
さえも定かに猿踊り さても桜と咲く誇り 先は酸鼻の惨禍たる さりとて錯視を賛美せる 寒さ讃歌は去る日まで 酒や災祭三度召し

・楽しい楽しい人殺し ミサイルミサイルテロル ルリルラ
悔しい悔しい繰り返し お涙お涙嗅いだ木阿弥だ ズタズタ
グレる グレる 冷めていく 何することにも 体力経験値
ズンズン デリュオ ギルギル 貸し正義屋でございまあす

・ふと、よ!見よ、ほれ。束のやふな間にも下腕ずり落ちて浅緑のやまい様。
よ!のう。のうんのうんと伸びて這つてして置きながら、やにわにわかに「滅びむ」と宣うてくれる。
ひとに貰つて食ひ繋ぎ、よくもかくも偉ふ成れたな。まさに死に時とまだ言ひたくば、
花のひとつも育てて摘んで、手向け落として逝つてくれ。

・生活にそこかしこ 網蜘蛛にピアノ光 四肢・頭奪い 手切る 木彫りの鋼鉄 人女 臓物を造物 一様に記帳
周辺と内面の全てが瞬間に以て擦り固木に換わり 削磨の時を過ごす
白黒になり 中間色になり
心の形は砕片になり
砂粒を分子となり 無となり 思いを失くし
涎れを垂らし 目は泳ぎ
色を失くし 哀しみ諦めを顔に貼り 減り 散り 塵

・自分が気分が私憤が隔夜が嫌で嫌でヤで仕方ない それは嫌 でも嫌は好き 仕方ない

・私は終に勘違いヤローになった。自分で感じず省みぬ者に
終わらずに惨めだという その事だけを見る者に。

・敗者が心満たして去り 勝者が詰まり渇き歪み 強迫的なまなこが死に すぼまり諦念に染め上がり
光抱きしめて帰さぬように 胸びれのようなぬめるように 切り取られ別次元の眼差し
激しい静止 言うならば。
波形 回転 加速 盤石 ボロつき 緩慢 破裂 変容
激しい静止 言うならば。

・国境沿いにて出会ったきみ 形の見えないカーテンを上半身に閉めていたきみ
手を出し 足は出し 顔や髪はまるでなかったきみ
背筋を突き立てて 蝗よりもほどに 努めてよく跳ねたきみ
きみはきみ 今もきみ 枯れた色は色つやの 体操して傘は射さない君

・誰か空き缶置いた 蹴ッ飛ばせ
ナメクジ這った 見てないと歩けない
誰かベンチ置いた 蹴ッ飛ばせえ
誰か生首転げた 蹴ッ飛ばせ

・照れ隠しのお辞儀 なにせと言ってもこれが最後だしね

・震え
優しく優しく
壁を薄い皮のもの
透き通るほど見えるほど
それでいて境い目
震度無し
長い長い小刻み
白いまでの見えぬ消えぬ輝き
飛ぶ鳥も落とす
鳥は気付かぬ
鬼もが泣く
鬼は気付かぬ

しずしず
しずしず

崩れがけ巻き込み巻き込み
阿鼻叫喚白昼夢
繰り返し責めるよ
誰のことも責めないよ
僕のせいだよ
言わないよ
責めるよ
泳ぐよ
波よ

よよ
よよよ

泣いてないよ

どこに目からの尿が降りたよ

泣いてないったらないってばよ

僕なんかないよ
悲しまないよ
この世って何よ


誘うような洗う

波よ 寄る辺は何度目の

(白い指よ 嘘の伝導器物よ)

波よ 幕切れは何度目の

(憩う終息は幾度目に?)

・私は文句を垂れるために 人を道連れに堕す為に
風を締め出した老人として 生まれた泥濘に安寧し 茶菓子のながら食いを短い人生と呼び バカにだけ見える服で華やいで ラジオアンテナはくず折れ
広い世界の中で 狭い頭の中で しゃがんでいては見通せぬ物を幻と断じ 本当の幻にかどわかされ ぐしゃぐしゃになったその紙束が
泣き顔であるとも気付かない私は 箸にも棒にもかからない 泥茶色にくず老いた 短い文句を垂れる為に
生じた

・傷が広がって殺される。内側から食われて死ぬ。突き落として殺す。叩いて死なす。
全可能性が死ぬ可能性を引き込まれぬよう予め殺す。殺されない為に死んでもらう。ありえなくなって消えてもらう。絶つ。刈る。奪って捨てる。

・考えずに死ぬ。考えて死ぬ。考えたから死ぬ。考えなしが死ぬ。
死が行動の期限。死が行動の起源。しなきゃいけない事を死ぬまでにする。死ぬまでにしなきゃいけない事をする。下らない事を生きる。生きる事は下らない。
下らない事で死ぬ。死なない生は下らない。上がる、どこへ?嘘っぱちの宙空へ?天の国のない外へ?耐熱感覚ない闇へ?何も無い所へ行く?
何処へも行か無い?死?死?それだけの命?それだけの命。

・最後には墓石のように冷たい牛乳を飲み倒れ伏して死体になる生きていたものになる。
今日の亡骸になる能わなくなる選択肢を踏み潰す。ネバーランドに墜ちる後悔の苗床になる。明日に焦がれて死体は眠る。
日によってそのまま死ぬ。今日の死は無為に死ぬ。「忘れてほしい」とそっと言う。

・致死老病我味方、夢築城友好彼方、生存唯大暇、善働跳回世、何々苦境在。 。

・寄せて返しつさんざめき 吸気は風音の様子へ 呼気は水音の様子へ 溶き説く吐息の潮騒かぶれ

心なんてただ脳じゃ、布団挟まる体はただ物じゃ、夢はひと瞬き網膜に咲く火花じゃ、
海に変われる幸せな、涼しいな、床は固いがな、死んでもなんにも変わらない、周波で出来た巨人であって、いくらかほどけ静かになるんで、
そこへ行くなんてなんとなる、一体全体海のまま、死体のまま、家のまま、星のまま、息のまま、gasp、証左で居て、ガスのまま、gasp、
紙のまま、何もかも失くしてしまった後で失くし物がすっかり思い出せない、死ってなに、なんのこと、
寝室に満ちた影たちは親切、
いま会ったばかりの人々と協力して寝る、練る物は、よる明けては生きられない蝉の合唱、懐けく呼ぶ、
私たちは公転しながら均一なブラックホールになりに落ち進むの、ひとつのまま、始めから、
今も終わるあいだ、いついつまでも、恐れを教え込んだのは誰、いずれ忘れ合うのに、平等だのに、死だって生きている、彼女らこんな優し、眠れる、
認めてあげられ、る、抱き留めてくれえる、今鎮まるさだめなら、ゆえ動き出す権利もくれる、食べすぎたお腹、が仕事を消化してゆく音から。

・蜃気楼。本日の上映会は終了です。またのご来場蜃気楼。今生。衆人の危険を排泄して光る光るともしび光る。ともしび光る蜃気楼。芋、摩擦いも。食べた

コップ一杯の蜃気楼。劇団蜃気楼。黒豆香る蜃気楼。けむり発光。猪と蜃気楼とおじいさんとおばあさん蜃気楼。
人を殴ったなあ。それは夢だなあ。xとyと蜃気楼。虚数平面と言うと蜃気楼とはいえただの蜃気楼。くすりくすり。薬飲まず。キジも啼かずば蜃気楼。

たで食う虫も蜃気楼。ジョン・改め蜃気楼。許可証。いや、教科書。活動写真を見にいつだ。門脈剣道士飛びおる。複製王。蜃気楼歌劇。絢爛初舞台。
ふすま。和室。しいん。き

・ぐぐ

・う

◎・・・
・・


自由詩 最悪 場合死 至 病 Copyright なけま、たへるよんう゛くを 2015-11-22 18:53:23
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