天空
レタス

滝壺の深淵から
天空に珠をさがす
うねる銀の龍の嘆き
龍は雷鳴とともに雨を降らした

飢えた民のために
龍は慈雨を与え
空の彼方へと去ってゆく
雲間にその痕跡だけが残っていた

青い空に夢を馳せたのは
遠い記憶のなかの迷宮

雲を眺めては
ぼくは龍の痕跡をさがし
その魂魄が一筋の雲に映りゆくのを眺めている


自由詩 天空 Copyright レタス 2015-11-21 18:25:28
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