鬼百合の呟き
藤鈴呼



誰にも逆らうことは許されぬと
仁王立ちで立ち竦む姿が見えて
心が震えた

冬でも無いのに見える雪の塊は
一体全体どういう事だろうと考えて
頭を振る

振り子ならば
あっちへ行ったり こっちへ来たり
賑やかに遊び廻る筈なのに
落ち着いた ままで
身じろぎも せず

その 行方を
ただ ただ
見定めている

一粒が 弾けた瞬間が 合図
走り出すのか 止まるのか
踏み潰すのか 踏みつけたままで跳ねるのか
チャンスは 一度きりだから
どうか 見逃さないでいて

こんなに沢山の
斑点模様が有るからと言って
どれが当たりかは 想像も付かない
どれも外れなんて終わり方だって
冗談じゃない

的外れな事ばかり ほざいているから
今度は 首を絞められぬように
ぎゅっと襟を正しなさいよ

母のような 偉大さで
ゆっくりと 言い放つ
あなたの言葉が
胸に 突き刺さった

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自由詩 鬼百合の呟き Copyright 藤鈴呼 2015-11-20 20:54:33
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