曇りの日
ヒヤシンス


 突然の驟雨に匂い立つ森が私を呼んでいる。
 どうしようもなくお前たちに会いたいがそれが出来ない。
 胸苦しさが止まらない。
 次に生まれてくるなら私は森になりたい。

 何かに生かしてもらっている自分は心に矛盾を抱えている。
 むりやり生きながら過ぎ行く日々に感謝をしている。
 本当は感謝などしていないのかしら。
 私が死んだら森に埋葬してほしい。

 精一杯しがみついている。
 自分が分からない。
 あらゆる音だけを頼りに今を生きている。

 不幸な人たちを見て涙している。
 深い悲しみの色を群青色だと思っている。
 孤独を気取って幸せを直視しようとしない哀れな馬鹿者よ。


自由詩 曇りの日 Copyright ヒヤシンス 2015-11-17 14:16:26
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