田螺
043BLUE

毎夜
ぼくは

ぼく自身の中にある
貧しい
優しさや
素直な心を

誰もいない
真夜中の
公園の湖に
捨てるんだ

君にかけそこなった
優しい言葉も
抱きしめたい
気持ちも

誰もいない
真夜中の
公園の湖に
捨てるんだ

行き場のない
ぼくの優しさは
静かな
湖の底深くへ
沈んでゆく

誰も傷つける
必要のない
優しさ

誰からも
傷つけられない
狡さ

ぼくは湖底の田螺

ぼくが汚れていく
分だけ

君がキレイに
なってゆくのなら

湖底から見上げて見る
この月の光のように

ぼくは君を
いつまでも
見守っていたい


自由詩 田螺 Copyright 043BLUE 2005-02-17 23:59:37
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