体温
あおい満月

手のひらに、
とぎれとぎれの物語がまじわるように、
とぎれとぎれの時間のなかを旅している。
風は、
私にまとわりつく
薄い襞を食んでいく。
一衣も纏わぬ身体になった私の心は、
新たないのちを探しだす。



いきていくために、
赤い花を持とう。
どんな熱にも、
冷たさにも負けない花を。
あなたが育てた花を、
愛しています。
あなたという花を、
この生まれたての地球で育てよう。
空という海が手招きしている。
虹をくぐって、
鳥が飛んでいく。

**

後悔だけはしたくないから、
毎日毎日、
一粒ずつことばを紡ごう。
愛を届ける事ができない生き方などしたくない。
これからは、
あなたのために笑おう。
あなたのために泣こう。
あなたのために血を流そう。
左手に何かを感じる。
あなたの体温があふれて、
見上げた空は、
眩しい熱い朝焼けが滲んでいる。



自由詩 体温 Copyright あおい満月 2015-11-03 15:35:40
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