未来のまえに
短角牛

思い出に浸って 満ち足りた気持ちになるのは

あの頃がシアワセだったからだろう

いまよりずっと、単純に生きていた若き日々

いまよりずっと、孤独を抱えていた日々

ひとりぼっちの未来予想図に うすら寒い居心地の悪さを覚えて

ただ、繋がりたくてもがいてた

文字に起こすと寂しくて暗い時代なのに

思い出に浸って 満ち足りた気持ちになるのは

あの頃が シアワセだったからだろう

起伏が 人生の起伏が

確かにそこに居たんだと 教えてくれるからだろう

谷間に滑り込んで 陰鬱な記憶を眺めながら

山側を縦走しては 晴れやかな日々に笑いながら

見上げる夜空 まだ星は無く 未来の前に

目を瞑り 明日への勇気を口ずさむ。









自由詩 未来のまえに Copyright 短角牛 2015-10-27 01:07:52
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