Bの旋律
レタス
大脳を満たした構造物の流れが
彼の微弱な心音を乗せて
樹々の隙間を貫きながら
空に消えてゆく
硬く焼き締められた鋼のような
銀鱗を纏う龍は
天を突いてゆく
凍り付いた旋律は
涙のひとしずくもなく
透明にきえた
温かな想いも
震える寂しさも
無情な地獄も
張り裂けるような恋も
すべては空に消えてゆく
ただ 微かな残り香が
残照に漂いながら
薄い肌を通り抜けていった
自由詩
Bの旋律
Copyright
レタス
2015-10-26 20:42:51
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