苦い昼/即興ゴルコンダ(仮)投稿.82
こうだたけみ

古い草は苦いって思い込んでいると右隣の若い草
からしっぺ返し食うんだペシリパクリおかんむり
の画数なら同じなのに黙々と食んでいる木曜日は
羊みたい雲がもくもくと駆けてます欠けてます月
あかりのせいなの昨日は流星群が見られなかった
とか言って空なんか見上げてもないくせして判を
押したように嘘ばかり、だものね見せかけだけの
ハリボテにもなりきれないかわいそうなカワウソ
の皮かむった嘘が横切ったとしても見て見ぬ振り
してあげて、約束よ本当よ裏切ったらいやよ裏は
なにもないんだからねって紙芝居をめくってゆく
裏側になんにもないのならどうやってお話をして
あげているのか苺味の飴玉ばかり熟れている五円
十円二十円と積み上げては二重円の虹が出たそう
なって真っ赤な舌で甘いあまい二枚舌の嘘ばかり
な猿芝居、どおりで月あかりの届かないこの場所
で頬ばる昼の端っこは苦いんだ、パクリパタリと
転がるくさかんむりを追いかけておいかけない。


自由詩 苦い昼/即興ゴルコンダ(仮)投稿.82 Copyright こうだたけみ 2015-10-22 22:25:06
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