アフターイメージ
末下りょう


それは
いつも
傍らで


鱗粉の睫毛の爆発を
捕食する


鉛雲の底辺を結び
つめたい足の自閉した雨が
背を反らしながら



あなたを
呼びとめ
あなたは


あなたを
思い出す



黄色い切れ端に光の錘は
うなだれ


やがて夜露に濡れたクモの巣の
罠にかかる


そのすがたに
みとれる
あなたのような影が
かすれる


中庭でいつかに逃がした
蝶の翅の眼帯が
排出した午後




自由詩 アフターイメージ Copyright 末下りょう 2015-10-19 00:15:22
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