漁師のように
小川麻由美

浮かんでは沈んでいく言葉達
言葉のありかは深層意識
漁師のように言葉に網をかける

網にかかった言葉は
時に楽しく
時に悲しい

最近は悲しい言葉ばかりが網にかかる

何度も 何度も 何度も
泣き叫んで絶叫したところで
残ったものは 疲労感のみ

ぞっとした私は
膝を抱え 怯える

こんな時は音楽が染みる
今だってNIRVANAのIN UTEROが
グサリと刺さるようだ

若き日のように嬉々としては聞けない

現在が過去になり未来は現在になる
時の正体をあばいたところで
私はまた怯えてしまうのだろう

認識 存在 恐怖を覚える

今日 網にかかった言葉はこんな感じ
悲しみに耐え難い言葉ばかり
これが事実もしくは真実なのだろうか

きっと今日も私はKurt Cobainと一緒に
歌い シャウトしながら
カタルシスを味わう

私は時に漁師になって
言葉に網をかけて水揚げする
しじみのような目を潤ませる

涙で文字が にじんでいます
今日はこの辺で許してください

また 私は漁師になります
何度も 何度も 何度も


自由詩 漁師のように Copyright 小川麻由美 2015-10-14 05:25:07
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