芥子色の北風
信天翁

 卒寿のおひとりさまにあって
 起床時と就寝時のあいだには
 別個の世界がころがっていた
 
      灰いろの深い溝に
   芥子色の北風が渦まいて

       眺めみたものは
     無益の造形物であり

     拾いつまんだものは
    無聊の虚構物であった


自由詩 芥子色の北風 Copyright 信天翁 2015-10-13 09:09:55
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