佐倉 潮

窓の外が雨降りかどうか
知りたくなったら
行き交う人々の差す傘を
探せばいい

雨粒は見えなくたっていい

傘は雨のことば
青、赤、黄色の点滅で
雨の居場所を伝えてる

だけど今
ぼくが見つけたのは
じっと軒下から
空を見上げる
あの子

ことばを忘れた雨模様

僕は傘を届けにいこう
たとえ雨がすぐに
あがってしまっても

たとえあの子に迎えがきて
ひとりぼっちになったとしても


自由詩Copyright 佐倉 潮 2015-10-11 00:29:53
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