エロティックな光景(改訂再録)
たけし

小学生時
休み時間の校庭で
クラスメート達と遊んでいる最中
ふと空を見上げ

僕は目撃した、

覆い尽くしていた黒雲が割れ
空の青が裂け
燃える光の帯が
遊ぶ無数の生徒達を
ギラギラと照らし
包み込んでいく
荘厳で異様な光景を

飛び跳ねている者
球を投げている者
ただ叫んでいる者
笑い転げている者

すぐ間近なのに遠い
皆が皆で芝居している
そう露わに感じながら
その様を何処か外から
凝視し続けている
剥き出しの自分が居る

その強烈な存在感覚
その荒涼とした疎隔感


僕は、
鮮明な余りに鮮明な
覚醒感に貫かれ
その場で途方に暮れ恍惚と立ち尽くしていた。


自由詩 エロティックな光景(改訂再録) Copyright たけし 2015-09-27 21:05:18
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