北村 守通

葦際だった
確かに
葦際で跳ねたはずであった


  通り過ぎた
    水際で


  また
   一つ


    葦が揺れる
          葦が割れる
    葦が閉じる
      葦が指を指す
          葦が指当てて

    黙って頷く


足音殺し
息殺し
しみる汗さえ
忘れ去り
投げ込む疑似餌
せわしく結ぶ
結んだつもりが
空回り


    うねうね逃げる
    ラインが逃げる
    葦が急かす
    赤い点が指先に広がる!


振り向けば
広がり尽くした
赤い点が
天を尽くす
天にて尽きる


自由詩Copyright 北村 守通 2005-02-14 23:16:04
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