わけあり
瑞海


私が9月を楽しみにしているのは
ちょっとした理由があるからなんだ

私が嘘をつくことがあるのは
ちょっとした理由があるからなんだ

私が金木犀の香り好きなのは
ちょっとした理由があるからなんだ

他にも
理由があること
たくさんある

君といつも話をするのは
ちょっとした理由があるからなんだ
ほんとに些細なことさ
しかし私はそれに
ずうっと捉われている

あの夢を思い出すのは
ちょっとした理由があるからなんだ
こんな私を戒めるための
深く喰らう夢

雨のせいでもあるけれど
今横になっているのは
眠たいだけさ

そう、眠たいだけなのさ

深い闇に落ちて
そこから君が引き上げてくれるのを
待っているだけなんだ

本当に
それだけ

それだけ





自由詩 わけあり Copyright 瑞海 2015-09-10 22:39:11
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