初恋リベンジ
愛心

諦めたいんです。
もう、ずっと、ずっと、諦めたいんです。

幼い頃の初恋が、こんなに燻るなんて
思いもしなかった。

歳も離れてて、わたしは制服を着てました。
周りの男子は持ってないレディーファーストに
胸キュンです。
優しくて、爽やかで、カッコいい
「近所のお兄ちゃん」に初恋、いたしました。

「好きです!」の言葉と一緒にあげました。
初めて作ったバレンタインのチョコレート。
笑顔で受け取って、紙袋の中に入れた
沢山のそれらに紛れてしまっても。

嬉しくて、跳び跳ねて、幸せで、
ハート撒き散らして駆け回ったわたし。
そのまま目の前で、失恋、いたしました。

諦めきれずに、嘘の感情ついていました。
周りの男子に気があるんだと思い込んで
過ごしました。
優しくて、爽やかで、カッコいい
「同級生の男の子」に、告白、されました。

「好きです!」の言葉があの日の自分と
重なって頷きました。きっと好きになれるって。
嬉しそうに喜んだ、彼の姿を見て思いました。
これで諦められるんだ。やっと。

そのまま毎日が過ぎて、甘い日々も忘れられて
ほっとかれて、寂しさ抱えて、泣くわたし。
いつしか音信不通。彼に捨てられました。

制服もなくなって、お酒を嗜むようになりました。
いつの間にかあの頃の彼と同い年。
入社した会社。もう大人になったわたしの
目の前に、貴方が、現れました。

第一声が「綺麗になったね」なんて
ずるいと思うんです。

諦めたいんです。
もう、ずっと、ずっと
諦めたいんです。

空っぽの薬指。少し安心したのです。




自由詩 初恋リベンジ Copyright 愛心 2015-09-10 18:39:16
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