たすけて
アンテ


みんな
イヤイヤ従ってるんだ
って思ってた
欲のため
お金のため
効率よく目的地に着くための
線路のようなものだって
イヤな思いも無理強いも
電車の乗車券なんだって

たすけて

草っ原を自由に歩いて
行きたい方向に進んでいたのに
いつの間に
こうなってしまったんだろう
ごくたまに
オアシスを見つけて
なにかを達成した気持ちになるけど
地図にもないただの水たまり
なのかもしれない

たすけて

優劣をつける仕組み
は人間が発明した
最もくだらないもののひとつだ
ああ ありがたや
ありがたや
バカバカしいカラクリ
都合のよいウソ
みんな喜ぶなら
それでいいんじゃない
どうせそんなに違いはないんだし
お金になるんだし

たすけて
って思ってた

たすかりたかった
のだろうか
わたし

かわいそうね
よしよし
してほしいんじゃない
ぜんぶ潰して
最初からやり直したいわけじゃない
でも
じゃあ
独りぼっち草原を歩いて
地図にない世界を見つけたい
ホントにそれだけなの

間もなく発車しまーす
アナウンス
乗車される方はお急ぎくださーい
チケットの紙切れ
破り捨てる
風に舞う
自分で決めたこと
だから
もう
たすけなんて必要ない
進みつづけるんだクソッタレ


「Poison」 #25
inspired by ぽわん 「BED ON >>>>>> MUSIC」



自由詩 たすけて Copyright アンテ 2015-09-06 15:20:06
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Poison