チェンバロ・コンサート
藤鈴呼



ペンギンの群れを
ずっと 見ていた

ヨチヨチ
ヨチヨチ

幼稚だねって 思えたけれど
たった一つの 用地買収で
こんなにも イラってするの
なんでだろうって 自問自答

応えなど なくて

ヨチヨチ
ヨチヨチ

ふりふりと 動く
左右の手を 眺めながら
ねぇ バイバイ

あれは ヒレなの?
鰭は 食べられるの?

肉厚で
ステーキなんかが
オツですってよ

ステキー! なんて
オツな切り替えしを
期待しながら

淡い空気が
気体と変化し

我等を乗せた機体は
ゆっくりと 飛びあがる

鍵盤が 肝心
ポロン・ポロンと
愉しげな音
響かせるから

チェンバロって 言うんですって
どんな鍵盤なのか

赤いボディーは
フォッサマグナよりも
テスタロッサを
思い描くの

そのテスターは
赤か 青か
どちらのカキツバタが
お好みですかと
見定めるよう

そうね
土壌が 酸性だったならば
青に 一票

昔ばかりは 赤かった
唇に 乗せて
素敵な ハミング
響かせましょうか

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自由詩 チェンバロ・コンサート Copyright 藤鈴呼 2015-08-28 01:31:04
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