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4/u

きみ、おちた



黒いひとみだけが さいごまでしずかだった
河の底、四月は冷えて
瞑っていなければ 声がでないのであれば
こわくないところへ連れていって

深い水音が ずっとずっとついてくる
だれもいないのだ ここには
ひとり、渇いた喉に
したたる深い、水音



あ/
くちびる、きった



うそみたいな約束を
たくさんしたねえ、たくさん
暗やみでもだいじょうぶだよ

四月の河はぬるい、さむい、かなしい
おちた
おちた
河岸に
はしった



いけない、なにもみえない
さむい、あしがうごかない
はやくすくってあげたい、きみを
きみをずっとたいせつにしたい



しずかな四月
消えた、うつくしいきみ


おちた



自由詩 . Copyright 4/u 2015-08-22 10:58:21
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